マスコミ批判に意味はあるのか?

 需要は自らの供給を創出する……タイポじゃないです*1Lean Left? Lean Right? News Media May Take Their Cues From Customers (ウヨ?サヨ?マスコミの見解って客見て決めてんじゃないの?)のお話.元ネタはM.GentzkovとJ.M.ShapiroのNBERのペーパー(#12707)とのこと.
 研究の手法は,国会の記録から「共和党用語」と「民主党用語」を抜き出すと,共和党が強い地域の新聞は共和党用語,民主党が強い地域の新聞は民主党用語で語ろうとする.要するに,論調は購読者によって決めているという話.ちゃんとマーケティングをして記事を書いている……まぁそりゃそうなんだろうなぁ.
 拙著『ダメな議論』にも繰り返し書いたように,相手が好むような論調をベースにすることで根拠のない根拠が通りやすい状況を作ることができる.米国のメディアはその恐れは十分あるというわけです*2
 これって日本でも後追い研究できるよね?ってかメディア論とか社会学とか詳しい人(むしろ検索システムに詳しい人か^^)……やるなら手伝うよ?


 話は変わるけど,学者のコラムとはいえNY Timesはちゃんと元ネタの論文を示している.それにくらべて……我が国ではペーパーになってない,しかも研究途中で(他の学者には)発表できない話を取り上げて大騒ぎをしている新聞もあると言う噂ですww

*1:最近気に入っているblog=http://economistsview.typepad.com/economistsview/での表題.経済学ファン以外の方へ→「供給は自らの需要を創出する」という考え方をセイの法則といいます.

*2:ただし,記事自体は「オーナーの意向」が強くないことが重要な発見だというかんじで書いてあります.