さていよいよ本格派の登場ですよ♪

 さて,前回のエントリでコソーリ告知したセミナーのひとつがいよいよ告知されました.演者は安田洋佑(政策研究大学院大学准教授)です.いやぁ僕なんかと違い超ヘビー級の若手学者*1……正直セミナーうけてくれるかどうかかなり心配だったんです.よかったぁ.
 何度も言っているように経済学は制約付き最適化問題です.でも多くの研究は「現実の制約条件」を論理的な操作が可能な形に変換し,そのなかでの最適解やショックの波及を探求します.それに対してメカニズム・デザインは制約条件を変更する,つまりは論理的に導かれるより良い制約条件を「現実の制度」に変換するという意味で旧来の理論を逆立ちさせている.これらの研究群が何をしているのか,そしてどう役に立つのかを知るまたとない機会と思います.

安田洋祐「社会を変える新しい経済学:マーケットデザインの挑戦」
司会 : 芹沢一也
日時 : 2009年10月31(土)15時〜17時
http://synodos.jp/seminar/index.html#seminar44


セミナー概要
 昨年から世界経済を襲っているグローバル金融危機を契機に、市場への信頼が大きく揺らいでいます。経済学の入門教科書に必ず載っている市場の失敗が、誰の目にも明らかになってきたのです。市場の失敗をいかにして乗り越えていくかは、現代社会に突き付けられた、最も重要な問題と言えるでしょう。
 今回の発表テーマであるマーケットデザインは、この難問にいち早く取り組み、着々と成果を上げている経済学の最先端の分野です。従来の経済学が、市場や制度を予め与えられたものとして捉え、その仕組みや機能の分析にもっぱら焦点を当ててきたのとは対照的に、マーケットデザインでは市場や制度はイチから設計するもの、変えていくことができるものと考えて、デザインの視点から問題への解決策を具体的に提案していきます。
 本セミナーでは、まずマーケットデザインの考え方が現実の政策にいかに応用されているのかを、いくつかの代表的な実践例を通じて確認して、その重要性や面白さをご紹介したいと思います。次に、理論的な背景として欠かすことのできない、ゲーム理論やメカニズムデザインの考え方を、できるだけテクニカルな話を持ち出さずに解説します。最近注目が集まっている、シミュレーションや経済実験といった工学的手法との関連についても簡単に触れる予定です。
 その後に、みなさんの生活でもすぐに実践できる、役に立つマーケットデザインのツールをいくつかご紹介したいと思います。最後に、(もしも時間に余裕があるようでしたら)私自身がマーケットデザインの実践として関わっている、公立小・中学校の学校選択制に関するプロジェクトと、ここまでで得られた成果についてお話しさせて頂きます。


 正直ゲームやIOの話をどうやって一般向けのセミナーに落とし込むんだろう.しかも学校選択制という具体的課題にまで言及するとなると数式はどうする?? 僕も当然参加します……ってか司会僕に振ってくれれば良かったのに♪

*1:いやフィジカルには僕の方がヘビーですがorz