『日本経済復活一番簡単な方法』見本出来!

 さて,twitter等で既にご存じの方も多いかと思いますが……1月に勝間和代氏・宮崎哲弥氏と日本経済について鼎談を行いました.そして荻上チキ氏の編集協力の下! 『日本経済復活一番簡単な方法』(光文社新書)がいよいよ完成です.発売は2月17日.
 本blogを読まれている方には「耳タコ」な話も多いかと思いますが,是非今一度の確認に.そしてなんといっても勝間・宮崎両氏のおかげで完全なシロートにもreadableに仕上がっていますのでご友人・上司・部下・恋人・論敵へのプレゼントにも最適です.

日本経済復活 一番かんたんな方法 (光文社新書 443)

日本経済復活 一番かんたんな方法 (光文社新書 443)


 本書の姉妹編(?)として,勝間さんがミクロ主体へのデフレ対策を上梓されています.こちらも併せて読むとマクロのデフレ対策とミクロのデフレ対策の両輪がそろうかと思います.ぜひぜひ両著ともにお手にとって頂ければ幸いです.

自分をデフレ化しない方法 (文春新書)

自分をデフレ化しない方法 (文春新書)

インタゲは4%で!?

 僕がインフレ目標型の政策を提言するときは「2-3%」というコトが多い*1のですが,IMFから平時4%の提言が!

 この記事の元ネタになったのが

 もっとも即4%インタゲにすべしっていう提言ではないんですが,デフレに巻き込まれることを防ぐために,予備的に高めのインフレ目標水準を設定しておき,政策余地を残すという考え方は重要です.財政についても財政の健全性が「いざというとき」の財政政策の効果を高めることなどが指摘されています*2
 ちょっち引用.

It appears today that the world will likely avoid major deflation and thus avoid the deadly interaction of larger and larger deflation, higher and higher real interest rates, and a larger and larger output gap. But it is clear that the zero nominal interest rate bound has proven costly.

 えーと.世界はデフレを回避しつつあるらしいです.向こう数年間デフレらしい日本*3のコトは忘れられちゃったみたいorz 「名目金利のゼロ制約のコストが大きい」ということを日本ほど痛感している国はない……んだけど政策当局が「痛感」している気配が全然ないんですよね…….


 政策提言ペーパーとしてはもちろん,ニューケインジアンDSGEによる新・新古典派総合の潮流をみとめつつ,それをどのように改善していくかという意気込みがあらわれていてイイ! ニューケインジアンDSGEの欠点を見つけたとたんに全部ダメ……では理論はいっこうに進化・実用化しません.赤ん坊を風呂の水と一緒に流してしまってはいけないのです!

*1:というか僕は基本的に名目成長率ターゲットの方が好きなもので……

*2:日本の財政政策の効果低下はこの種の中立命題問題なのかマンデル=フレミングなのか……これは現在構築中の開放日本経済モデル等で探索中.open macroむずい.

*3:某国中央銀行総裁談