世の中いろいろ

 僕のゼミ(2年生)では,プレゼンテーションの訓練その物に入る前に400字程度のエッセイを書かせています.

 そのときに口を酸っぱくして伝えているのは「エッセイは受験小論文じゃない!」ということ.例えば,なるべくテーマ自体が難しくならないように「日本について」とか「最近の高校生」「仕事について」といったネタを書かせているのですが……みんな悪い意味で「学校化」していて,「いかにも高校の先生が喜びそうなこと*1」を書いて来ちゃう.

 例えば,日本についてなら「国際化の中で日本人は……」「日本人であることに誇りを持つこと」とか,最近の高校生についてなら「最近の若いモンは……」みたいな*2.さらになんだか抽象的でわかったようなわかんないような話が多い.そして,もっと悪いのは「こういう人もいるしああいう人もいていろいろだ」という作文.「世の中いろいろ」なのは当たり前でわざわざそんなこと言ってみたってしょうがない.

 そういう作文……自分が読まされたとして楽しいかな? 役に立ったなぁって思えるかな? 少なくとも僕はつまんないなぁ.そして,つまんないものは読みたくない.まぁまぁなのは,自分のちょっとかわった経験を中心に書いたもの.「おっ♪」と思ったのは日本に関して「字面が同じ熟語なのに読み方が複数ある単語はあるか」というものや,高校生に関してブレザーとセーラーはどっちがいいか*3,マンガの舞台はなぜ高校のことが多いのかに関するもの.これならそこそこ楽しめる.

 大人社会で文章を書くとかプレゼンをするってのは「商売の一貫だ」ということをしっかり伝えていきたいなぁ.

*1:もう少し詳しく言うと生徒が書いてきたら先生としてはまぁそれなりの点をつけるよなぁ……という作文.

*2:後者はどうせそう書いてくるだろう&そしてそれがいかにつまらないか教えようと思って指定したテーマなんだけどw

*3:女の学生の作文です.念のため.