『週刊ダイヤモンド』9/15号(9/10発売号)

 僕はランキング大好き人間なので,経済誌はダイヤモンド派.いや〜これはちょっと牽強付会ではってなランキングもあるけどとにかく数字をこねくったり,単回帰きをしてみようというその意気や善し! です.


 とか書きながら,今週面白かったのはコラムの方*1


 ひとつめは,河野龍太郎氏のData Focus.公共投資比率と一人当たり名目県民所得の単回帰なんだけど……こういう「一枚のグラフでハッとさせる」技法はマーケットの人にはかなわないなぁ.
 要するに,「日本の公共投資は再分配」という立場に立っても,都道府県間で「貧乏な割にもらってない県」や「結構金持ちなのにもらってる県」があるという当たり前の事実を示してくれてます.例えば,カナーリもらいすぎなのは島根県.わりと冷遇されているのは大阪府ってな具合.
 残念なのは6都道府県しか具体名が書いていないこと.これは暇なときに僕が出そうかな.選出議員の自民党比率とかをあわせて眺めると楽しそう.それにしても公共投資で再分配って発想自体むちゃくちゃだという点にも大賛成.


 ふたつめは山崎元氏.市場が競争均衡にあるとき,経済学屋は「市場は効率的だ」というんだけど……「効率的ってより公平って言った方がよくない?」という提案.うん一理ある.ただ多分山崎氏の言いたい公平は"fairness"の方だから「公正」の方がしっくりくるかな.
 で!ここからが本題ですが,競争均衡の持つ「いいところ」は「公正」と「効率」だって話は経済学の教科書にちゃんと書いてあります! 代表的なモノとしては『ゼミナール経済政策入門』とか(笑).その意味で,競争的な均衡では「公正と効率が両立している」って所の方が味噌何じゃないかと思われる次第.


 あと,ネタ的には齋藤精一郎氏の名著再読.ハリー・G・ジョンソンの『ケインジアン−マネタリスト論争』をレビューしての結論が「デフレの問題は貨幣数量説に立ち戻って考えろ」というものなんですが……えーと.えーと.どうしたんでしょう????

*1:ウェブサイト価値ランキングはちょっと当然すぎる結果で残念……まぁだから後ろに回したのかな