まさにへそが茶を沸かす話

 『論座』の次回連載は霞ヶ関埋蔵金問題.ネットとグロスの区別と,グロス派が埋蔵金を喜ばない理由についての下衆の勘ぐりを少々.〆切り間際にテーマを変えたので大あわてで執筆しました.


 あ〜!本来なら新ネタ投下で「国家ファンド問題」を書こうかと思っていたんですよね(霞ヶ関埋蔵金はすでにみんな書いてるような話になりがちだし).それこそ運用に回す銭があるならさっさと国債償還すれって話ですよ.だたし残念ながら……山崎元の「王様の耳はロバの耳」で論点が完全に網羅されてしまっている.

私(←山崎元氏)としては、「日本版国家ファンド」の構想は、
(1)何といっても日本政府が多額の手数料を払う運用業者のカモになるのだし、
(2)将来の運用成績が確実に優秀な運用者の存在が疑わしいし(本当に優秀ならどうして他人のお金を運用するか)、
(3)素人に(本当は玄人でも)優秀なプロを選択する能力はないし、
(4)運用の計画と管理に関する説明責任を政府が十分果たすことが不可能だろうし、
(5)巨額になるほど運用が難しいし、
(6)「官から民へ」の逆行だし(運用は「民間で出来ること」の代表だろう)、
(7)主に外国に投資するとしても政府の民間への介入だし、
(8)政府の目的と純粋な運用とのコンフリクトが避けがたいし、
(9)中東諸国や中国、シンガポールといった中央集権的で経済の民主化に些か遅れた政府の真似をしようというセンスが情けない(イギリスやドイツでやっているか?)、
(10)「金融立国」とは世界のカモから金融で稼ぐことであり自分自身がカモになることではない、
等々山のようなツッコミ所があって、馬鹿馬鹿しくてヘソが茶を沸かすような、同時にこんなものにコメントすること自体が情けないレベルの話

もうこれで十分でしょ!?
ここまで完全な反論があるのに推進論の人は何がしたいのでしょう.
何か別の所にインセンティブがありそうに感じて仕方ないんですけど……