中央銀行総裁の鑑!?
某MLで話題になったネタで恐縮ですが,
がイかしてる♪ というか大停滞論争に関わった人なら誰しも「既視感」を持たざるを得ない言明です.ちょっと引用すると,
最近産業界の一部から中央銀行に対して高いインフレ率を抑制する手段として貨幣供給量の伸び率を抑制するように求める声が高まってきた。
しかし、過剰な貨幣が過少な商品を追い求めるためにインフレになる、という新古典派経済学・マネタリスト学派に基づいた考え方は、ジンバブエの場合にはあまりにも単純すぎる。
ジンバブエにおいて貨幣供給量が増えているのは、農業分野や製造業分野といった民間企業部門で、生産活動向けの資金需要が増えているため、官民金融機関を通じた貸出が増えていることが原因である。
資金需要があるから資金供給して,資金需要がないから資金供給しない……ってのは変動相場制では一番やってはいけない金融政策.好景気に金融緩和,不景気に金融引締しようってんだからマクロ経済の不安定度は増すばかり.日本でも「資金需要がないからマネーは増やせない」って理屈はやったよね.
なんていうか……
固定相場制下の金融政策*1と変動相場制下の金融政策はまるで違う!
ってことをわかっていない人はどこにでもいるのだなぁ……と.
ただし,ジンバブエ中銀総裁も気の毒ではある.産業もめちゃくちゃ,せっかく来てくれた外資に対しては資産収奪で対応(笑)……なんて政府じゃ,「金がないからおまえんとこが刷れ」と言われてことわるわけにはいかないもん*2.
政府サイドの要望に応え続けることへの批判をかわすための方便として「受動的金融政策論」を持ち出したと思うんだけど,欧米の経済学では教えない理論なだけにジンバブエ中銀総裁がこの金融政策論をどこから持ってきたのかひじょ〜に気になってみたりして.
それにしてもリンク先をみると「そんなに単純じゃない」のオンパレード.没論理な発言をするときの言い訳として「現実は複雑だ」は本当に万能の枕詞だなぁ.
現実が複雑だからこそ……
シンプルな論理しか使い物にならない
わけなんですが.