怒りか……脱力か
本日(21日)の朝日新聞朝刊12面(オピニオン)の特集「景気拡大の終わり」に小文を寄稿しました.本欄は3人の論者がテーマに対して自分なりの回答を寄せるという形式なのですが,今回は依頼時に「景気拡大の終焉と若者」に言及して欲しいとの示唆もあり*1,
の3本です.
この過疎ブログをチェックされている人ならば僕と水野氏の記事は……まぁいつもの話ですからいいでしょう.水野氏の話は,なんで景気後退の話に専制君主がどうとか帝国がどうしたという話が出てくるのか,日本以外の国はちゃんと成長しているのに難で日本だけ成長しないのか等つっこみどころまんさいですが,今日注目したいのは水野氏の話じゃない.
問題は残間氏の話.「お金がないのに高い酒を飲むのはカッコ悪い」「野菜が高いから自家菜園をはじめた」「都会でかつかつ暮らすのもなんだから地方で暮らす」「バブル期は贅沢したんだから,もう贅沢はいいじゃないか」という団塊世代の価値観を「あすなろ」と「ダメもと」とまとめ,それが若者にも参考になるんじゃないかというプロポーザルだけど……
なるかよ!そんなもん!!!
記事自体はどうってことのない「団塊世代これからもがんばろうよ」という話です.でも何の悪気もなく書いているからこそ団塊世代の価値観が現れていて面白い.こういう話を書けてしまうのが「さすが団塊の世代は苦労知らずだなぁ」と思わざるを得ないところでしょう.
余談ですが,若者諸君は60歳未満の人の貧乏話を真に受けてはいけません.僕の学生時代の貧乏話くらいどうでもいい*2.彼らが物心ついた1960年は,もちろん現在とは比べるべくもないですが,戦後の本格的な(要するに生きる死ぬの)貧乏は遠くなっていた時代です.さらに彼らが働きはじめた70年代前半の実質賃金は現在の70%(70年代半ばには80%*3)です.その上,雇用は日々拡大を続け所得上昇期待も強いわけですから……現代の若者は胸を張って(?)今の若者の方が苦しいわい!と言いましょう.