おや♪もしや読者?

 毎日新聞岡山版で拙著『ダメな議論』がコソーリ登場していました.いや『ダメ』の紹介と言うよりも,『ダメ』と絡めて最近の僕が考えていることを書いて貰ったかんじで嬉しい限り.

きび談語/毎日新聞・岡山

若手経済学者の飯田泰之さんが書いた「ダメな議論」(ちくま新書)は有意義な1冊だ。データに基づく議論の重要性をこれでもかと説いている。飯田さんが「ダメな議論」とするのは、感情的な議論やデータを無視した常識のこと▲最近、元フリーター青年の就職問題などを取材し「まず行動することが大事だ」とする内容の記事を読んだ。しかし、ちょっと待てよ−−とも思う。若者の雇用は、景気動向が大きな要因として絡んでくる▲景気が悪化すれば、いくら個人が行動や努力を重ねようと、おのずと限界があるだろう。まして、百年に一度の不況ではなおさら。景気対策を抜きにして、個々の行動や努力だけに原因を求めるのは、“ダメな”気がするのだが。


 本年度本学で「経済学入門」を担当していただいた矢野先生の嘆きにもあるように,現在のマクロ経済状況は「努力は必ず報われる」といういつもの常識を崩壊させてしまっていると言えるかも知れない.GDPIIPの悪化の大きさが日本において特に顕著な理由として貿易依存度の問題をあげるエコノミストは多いですが(時系列で比べるなら間違いではない),日本より貿易依存度が高い国はいくらでもある(というか米国以外みんなそう)……それでもなお日本の傷が深いという現実に目を背けてはいけない.過去十数年の日本のマクロ政策は全くもって「Goddamn Stupid」だった……その結果がこれだという側面を忘れてはいけません.