財政再建についての覚書

最近消費税増税云々話にコメントを求められることが多いんですが,僕の立場は「賛成/反対」と単純に割り切れる話ではないのでいつもながながとコメントしたり,メール書いたりしなきゃいけない.同じ話を何度もするのはどうも苦手なので,ここに基本方針を書いておこうと思います.

基本姿勢

  • 財政の問題は「プライマリバランス赤字への対応」「社会保障費増加への対応」に分けて考えなければならない*1
  • プライマリバランス赤字への対応は安定的なインフレによる名目成長率の向上に求めるべき*2
  • 社会保障費増加への対応は給付抑制となんらかの増税で行うしかない
  • ただし,現在の「一体改革」には反対.一時的に増税してもその後にまた財源が不足することになるためゴールが見えない増税を続けることになる.もっともそれ以前に鈴木推計にもある様に赤字が減らないので何のための増税なのか全くわからない
  • むしろ税収動向に収支が左右されない積み立て方式への移行を行い,その制度改変費用を長期にわたってって償還するに必要な額の増税が望ましい.
  • または名目GDP成長率や金利動向にリンクさせた給付ルールを作り,税収動向次第で給付が変わる方法,いわばより完全なマクロスライドを導入するしかない.それをさかのぼって適用することで増税幅の縮減を目指す必要がある.
  • これらの転換の財源としては相続税・消費税が望ましい.ただし消費税増税の際には給付つき税額控除と同時に行うことで垂直的公平を担保する措置と同時に行わねばならない

*1:正確には年金とそれ以外という話

*2:理由は明日書く