見本出来!近日発売♪乞御好評?
今月は書籍が2冊,ほぼ同時に発売されます.ここまで発売日が近いのは初めてかも.
日本の大学教育に一石を投じる本:『マクロ経済学の核心』
あれ?タイトルが違わない?……という方.ほんとすいません.五年越しの『飯田のミクロ』の続編です.
特色としては,長期の成長モデルと短期の循環モデルの接続を重視した構成になっていること.
そのため,最近この手の入門レベルのテキストではあまり重視されていない,ハロッド=ドーマーモデルやヒックス=サミュエルソンモデルにもそこそこページを割いています.確かにこれらのモデルを現代の分析で使うことはあまりないですし,資格試験でも見かけなくなってきていますが……これがないとなんか「ストーリーとして入門レベルのマクロ経済学を把握する」ことが出来ないように感じるんですよね.
コンセプトは「ど真ん中の教科書」.新書縦組みですので,数式は最小限に抑え,言葉による説明を重視しました.そのためテキストとして用いて,講義の中で数学的な解説を補充するという利用に好適かと(営業です).
しかも価格は「840円+税」! 減少し続ける学生の可処分所得,バイトと勉学の両立の難しさ,高騰する授業料……大学教育を巡る経済的な課題に一石を投じる低価格です! 学生の懐を考えるならぜひ『マクロ経済学の核心』を♪ Kindle版も同時発売ですよ.
- 作者: 飯田泰之
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/06/15
- メディア: 新書
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- 作者: 飯田泰之
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/03/22
- メディア: Kindle版
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イベントも企画中ですよ!:『これからの地域再生』
そしてこちらは編著.ここ数年,私の興味の中心である地域再生についての試論集.テーマは「中規模都市」です.具体的には中心部10万〜30万+周辺部20万〜50万くらいの都市圏の中心部の活性化に関する理論・歴史・実践を理解いただけるような編集を心がけました.
古くはジェイン・ジェイコブス,新しくはリチャード・フロリダ(そんなに新しくもないか^^)が指摘するように,イノベーションの第一ステップであるアイデアは都市でこそ生まれる.人々の需要が「モノそのもの」からデザインやストーリーという「モノの周辺」に移行しつつある今.アイデアを生み出す場としての都市を国内にいくつ維持できるかが日本経済の命運をになっているとさえ言えるのではないでしょうか.
そして,なんといっても僕以外のメンバーが超豪華.こちら,もうこの際僕の章は飛ばしていいから全国民必読の書ですよ!
奇しくも4章を担当いただいている木曽崇さんの単著も同日発売.5章を担当いただいた藤野英人さんの著作も先週発売されたばかり……なのでこりゃ出版イベント開催不可避です.近日中に再度告知申し上げます.
- 作者: 飯田泰之
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2017/06/16
- メディア: 単行本
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- 作者: 飯田泰之,木下斉,川崎一泰,入山章栄,林直樹,熊谷俊人
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/04/19
- メディア: 新書
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「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」 (光文社新書)
- 作者: 木曽崇
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/06/15
- メディア: 新書
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- 作者: 藤野英人
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/06/02
- メディア: 文庫
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お手伝いした書籍2点
なんと……3年近くぶりのblog更新です.はてな記法を忘れてしまってます。。。
ここのところ,初体験のタイプのお仕事を続けて経験させていただきましたので,ご報告とモロマまで.版元に連絡するほどでないちょっとした感想や誤植の指摘なども,コメントいただけましたら,重版時などに申し送りいたしまするmm
経済系学習マンガの「監修」をしました
まずはこちら.『東大生が作った マンガ やさしい経済学入門』の監修をさせていただきました.監修といっても,今回のお仕事はネーム段階まで進んでいる作品の中で「用語のミス」や「経済学的に完全に誤り」といった部分を指摘するというもの.
まぁ「東大生がつくった」ですから,監修も元東大生にやらせようかという話何ではないでしょうか.「東大まんがくらぶ」は私の在学時にはすでに名門サークルでしたが,今も元気ですね! 原作者の「あとがき」に私が所属していたサークルの話もチラッと出てきます(笑)
内容は,ファンタジー世界で「発展途上国(というか後進国)の姫君が経済を発展させていく」というストーリーの中で,基礎的な経済理論を解説するというもの.需要と供給,独占の弊害,重商主義の誤りと比較優位といった内容が中心です.舞台が舞台なので,基本的にはサプライサイド経済学前回な内容です.姫君と経済顧問の腕で発展した王国……次に必要なのは総需要管理政策!ということになるかもね♪
- 作者: 東大まんがくらぶ,飯田泰之,松本勇祐
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2017/03/11
- メディア: 単行本
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P.S. 奇遇にも(?),またもマンガの監修のお仕事をいただきました.こちらは連載ベースで,(一部に)有名な作家・漫画家の方とご一緒させていただきます.詳細は今しばしお待ちを!
偉そうに「解説」なんかをしてみちゃってます
次にご依頼いただいたのは……我らが海老原嗣生アニキの新著,その解説という大役です.海老原さんといえばなんと言っても雇用,キャリアデザインですよね.でも,実は入門書ライターとしても超一流の腕をお持ちです.『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』(プレジデント社)は名著なので是非ご一読を!
海老原さんの入門書シリーズ第二段は経済! 経済学者の書いた経済入門って……経済学の基本構造の説明を優先するがあまり時事ネタがおろそかになっていたり,ジャーナリストが書く経済入門って……時事ネタの解説を重視しすぎてなんとか用語の基礎知識と変わらなくなっていたり.どうもビジネスパーソンにとっての「経済入門」本は帯に短したすきに長しになる傾向があります.一方で,本書は(前著同様)「役に立たせる」という姿勢が前面に出ており,細かい理屈や細かい用語ではないお役立ち感を重視する方にお勧めできます.
そんな本で飯田が何をしているかといいますと,本編で取りこぼした細部の議論についてちょっとした解説の章を担当させていただいております.海老原さんの経済論とは一致するところ,そうでないところ双方あるのですが,そのような意見の相違まで含めて楽しんでいただければと存じます.
経済ってこうなってるんだ教室 ―小学校の算数と国語の力があればわかる、経済・金融の超入門書!
- 作者: 海老原嗣生,飯田泰之
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2017/05/19
- メディア: 単行本
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8月16日饒舌大陸2周年記念イベント来場特典
「饒舌大陸」2周年記念ライブ開催!!
〜これからのセルフブランディングと頑張らない生き方を学ぶ3時間〜
しつこいくらい告知しますが,8月16日に新宿ネイキッドLOFTにて,常見陽平さんとの饒舌大陸二周年イベントが開催されます.
- 飯田どもにちょっとかまってやるかという方
のみならず,
- LilCouleurのファンだ
という方も楽しめる内容です(後半はリルクルずっと出演です).あと,隠れキャラ的に別のアイドルさんも来るかも...
せっかくなので,来場の皆様に何かお土産を...と思うのですが,当方アイドルではないのでグッズとか握手券とか無いんです.そこで,以下のいずれかの特典をつけることにしました.
- 飯田の本(常見ファンのみなさま,これを機に飯田の本も読んでみてください)
- 常見さんからおすすめ本プレゼント
- 表ルートでは手に入らないDVD(噂によると常見さんも出ているとか。。。)
早い者勝ちで,お好きなモノをどうぞ.プレゼントがしょぼいとかいわんといてmm
【開催概要】
日時:2014年8月16日(土)
18:00開場 / 18:30開演 / 21:30終了予定<出演>飯田泰之、常見陽平<第2部ゲスト>巨椋修、LilCouleur
※ゲストに一部変更がありましたチケット:前売 2500円 / 当日 3000円(飲食別)
会場:ネイキッドロフト(JR新宿駅東口10分)
所在地:東京都新宿区百人町1-5-1百人町ビル1階
問合せ:03-3205-1556
※第1部の模様はニコ生「ゲキビズ田原チャンネル」で中継します。=>http://live.nicovideo.jp/watch/lv186497892
饒舌大陸2周年記念イベント本日発売です!
「饒舌大陸」2周年記念ライブ開催!!
〜これからのセルフブランディングと頑張らない生き方を学ぶ3時間〜
【開催概要】
日時:2014年8月16日(土)
18:00開場 / 18:30開演 / 21:30終了予定<出演>飯田泰之、常見陽平<第2部ゲスト>巨椋修、LilCouleur
※ゲストに一部変更がありましたチケット:前売 2500円 / 当日 3000円(飲食別)
会場:ネイキッドロフト(JR新宿駅東口10分)
所在地:東京都新宿区百人町1-5-1百人町ビル1階
問合せ:03-3205-1556
※第1部の模様はニコ生「ゲキビズ田原チャンネル」で中継します。=>http://live.nicovideo.jp/watch/lv186497892
さて,僕としては久々のイベントですが,今回のテーマはセルフブランディングと頑張らない生き方...
セルフブランディングというとノマ子とノマ夫がスタバでMac Book Airを開きながらなんかSNSする...みたいなイメージしかない(少なくとも俺はそうだ).なんかすごい頑張ってるかんじ.でも,よくよく考えてみると,
SNSってセルフブランディングツールとしてはあんま役に立たないんじゃ?
あまり頑張らないで生きて行くためのセルフブランディングもあるんじゃないかな?
とも思えてくるんです.
そこで,第一部は番組開始から常見さんと俺がこれまでの番組を振り返りつつ,ここ二年での日本・論壇,そして自分の変化と実践してきた(?)セルフブランディングについて語りたいと思います.さらには,これからの日本経済はどうなるんだ? というかおまえらは今後どうなるんだ……まで,語り尽くせればと.
第二部はまだ何するか考えてない...せっかく僕の知人内でもっともあやしいおじさんである巨椋修氏とLilCouleurさんがいるわけですから,漫画家・アイドルのセルフブランディングから,観客の皆様からの個別相談まで,縦横無尽に遊びたいと思います!なんといっても第二部は完全closeイベントですから,心から好き勝手に話したいと思います.
その他,こんなこともやってくれ,こんな話をしてくれ!等ありましたらコメント欄にどんどん改訂ってくださいませmm
P.S.
どうでも良い特典かもですが,開始前にアンケート配るので質問どんどん書いといてください!一部ラストか二部にかなりの高確率で返答します.あと,希望があれば少なくとも飯田は必ずサインします.僕の本ならなんでもよい(なんなら関係内本でも^^).LilCouleurさんについては月曜に相談してくるね!
高所得者に2.5倍お得な軽減税率!
とても想定内とは言えない消費動向,かなり不安な機械受注統計にもかかわらず,なぜか来年10月からの消費税再増税の議論が進んでいるわけですが…….そのなかで何よりもマズい課税方式!軽減税率が現実味を帯びてきました.
一般消費税の利点は,全ての財に等しくかけられていること.その大きな利点をわざわざ損なうようなまねをなぜするのか全く意味が分かりません.複数税率はインセンティブを歪めるため,効率的ではないという点に異論のある経済学者はいないでしょう.増税の是非はともかくとして,軽減税率には全経済学徒は他の論点の相違を超えて団結して反対していく必要がある.
税制の効率を損なってまで軽減税率の導入を目指す……その際の理屈が「低所得者対策として必要」というものです.しかし,
その嘘ホント!?
日本はあまりエンゲルの法則(高所得者ほど支出に占める食費の割合が下がっていく傾向)の成り立ちが良くない国です.低所得者層で支出に占める食費の割合は25%,高所得者でも20%くらい.あまり下がらないのです.日本人にとって食は「生きていくための栄養補給」に限定されるモノではなく,なによりの「楽しみ」ですからね.
軽減税率でどのくらいの所得の人が何円減税になるんだろう.家計調査で計算してみようとしたら……もうやってる人いました.それがこちら!「軽減税率について考えてみた〜エンゲル係数から低所得者対策ではない(政治について考えてみた 2013/12/10エントリ)」です.ちょっと表を引用してみましょう.
食費の5%軽減税率で,低所得者層は1700円/月の減税,高所得者層は4100円/月の減税.なんと高所得者層の方が2.5倍も減税.大間のマグロも神戸牛も魚沼産コシヒカリも軽減税率で安く買えてみんな大助かりですね.
ここからも分かるように,
軽減税率は低所得者対策ではありません
軽減税率はむしろ富裕層減税です
仮に本当に低所得者対策をしたいと考えているのなら,その手段は給付でしょう.その方が安くあがります.
どう見ても筋の悪い軽減税率が「低所得者対策の定番」のように議論されるのはなぜでしょう.ここで想像の翼を働かせてください.軽減税率制度が実施されることになったら,全ての業界は「自分の商品を税軽減対象にしてほしい」と思うはずです.では自分の商品を税軽減対象にしてもらうためにはどこに,誰に頼みに行けばよいでしょう.その「お願い」をかなえてもらうためには何を差し出せば良いでしょう……落ち着いて考えると,軽減税率は低所得者対策ではなく,政治家の権力維持,官僚の天下り先確保のためにあるのではないかと勘ぐられてならないのです.
選良たる政治家の皆様,日本の将来を憂える官僚の方々がまさかそんな汚いことを考えているわけはないですよね.だったら,効率性を損ない,低所得者対策にならず,税収を減らす軽減税率はあまり良い手法ではないことに早く気づいて欲しいなぁと思うのです.