偶然のチャングム

ビデオ予約のチャンネル指定ミスで『チャングムの誓い』が録画されてますたorz…見たこと無いのにおふくろのせいでそれなりにわかるのでまったり観てみました←たいてい土曜の晩に来るので必ず観て頼みもしないのにあらすじ解説をしてくれます.しかも「こいつは悪者でこいつはチャングムの味方」とかとってもわかりやすい解説ですw


いつのまにか医女候補になっていた主人公がその知識を下にサッサと診断を下すのを教官が苦々しく思い落第させるけど,いろいろあってその非に気づいて再テストってな話なんですが,その再テストの課題が薬品(薬草)を毒と薬にわけるというものです.この流れだと,おそらく「毒か薬かは一概には決められない」「毒は薬であり薬は毒である」という話になるのかと思います(←あくまで予想ですが,当たってたらだれか一杯おごってください.特に韓流某さんww).なんか人生訓みたいだなぁ……と思いきやこれは実は本道(漢方内科)の立派な学説なんです.なかには「毒にならない薬草は薬にもならない」という極端な学説もあるそうです.


僕は飲むと江戸ネタが多いんですが,こういうネタの仕入れ元はたいて佐藤雅美氏の小説です.


江戸末期の医者崩れを主人公にした小説,『啓順凶状旅』(ASIN:4062739119)は物語を愉しみつつも漢方の知識が得られるというなかなか面白い本です.同著者の作品はどれも歴史資料や歴史知識……しかも大河ものではなく同時代的な自然・社会・人文科学知識の宝庫なのでおすすめ.ともにストーリーとしては同著者の中ではいまいちだと思いますが,『青雲遙かに』(ASIN:4062132745)は,大学院に行った人のみグッと来るかもしれない江戸後期のODの話,『江戸繁盛記』(ASIN:4408534234)は専業非常勤講師のお話です.