日本銀行臨時政策決定会合

 今朝の閣議,

 政府は1日、円高の進展や「ドバイ・ショック」を踏まえた経済対策の基本方針を閣議了解した。方針では、円高が進む為替市場を「厳しく注視」し、・・・・・・また、日銀に対し「金融面から経済を下支えするよう期待する」と協調を求め、さらなる金融緩和の検討を促した。今後、政府・与党内で調整を進め、当初見込んだ2兆7000億円を上回る規模の経済対策を週内に打ち出す考えだ。・・・・・・鳩山由紀夫首相が2日に白川方明日銀総裁と会談し、協力を求める。(2009/12/01-11:15,時事ドットコム

 さらには藤井財務大臣のかつての円高歓迎論はどこに言ってしまったの?な老獪なほのめかし,

 藤井裕久財務相は1日の閣議後の記者会見で、デフレ対策に関連し、「日銀法の精神から言えば政府の政策に自主的判断で協力するのが筋。量的緩和に仮になれば経済効果はある」と述べ、日銀による協力に期待を表明し、間接的に一段の金融緩和を求めた。
 政府は先のデフレ宣言に合わせ、日銀にデフレ対策での協調を求めていた。これに対し、日銀の白川方明総裁は、「需要を増やす力はない」と量的緩和に否定的な考えを示している。(2009.12.1 10:14,産経ニュース

をうけ,

日銀は、きょう午後2時から金融政策決定会合を臨時招集すると発表した。最近の金融経済情勢の動向を踏まえ、必要な金融調節事項の検討を行うため。白川方明総裁が4時半に会見する予定。
 発表を受け、ドルは一時87.01円まで上昇。ユーロ/円は130.60円まで上昇した。(
2009年 12月 1日 11:21 JSTロイター

 さて,何かが動き始めています.いや会合が「ある」というだけで為替はすでに動いています.
 もちろん最も重要なのは今日の政策決定会合で何が決まるかですが,さすがに「何もしない」はあり得ない選択肢です.すると今日中の決定がいちおうは0.1%に誘導していた短期金利をさらにさげる「0金利政策」になるか「量的緩和」の再開になるか・・・・・・このあたり.


 しかし,僕がかねてから主張しているように,「今金利がゼロになること」にはたいした景気浮揚効果はありません.「今後,そして次に景気が上向きになったとき(または財政等で一時的に上向きにしたとき)相当期間ゼロ金利を続けてくれる・・・・・・という確信」が重要なのです.「量的緩和が効く」というのは,おそらく多くの論者が思っているであろう,古典的な貨幣供給政策という理由ではない.量的緩和が「すぐにはゼロ金利解除を出来ない条件を作る」からです.では

で進められるべき,金融政策の道はなんでしょう.

[下策]2000年代前半同様の形式的なゼロ金利量的緩和
[中策]ゼロ金利または量的緩和の上で,政府・日銀の共同の声明として「インフレ率が継続的に2%(または控えめに1%)以上になるまで金融緩和が継続される」と発表
[上策]日本銀行法を再考し,上記の声明に法的拘束力を持たせる.その上で,目標とするインフレ・レンジの上限を設定

 これらは排他的ではないのですが,大きな懸念は「形式的なゼロ金利量的緩和」のみで金融政策が打ち止めになり,当然ながら全く効かないという事態です.んで「やっぱり効かない」ので「金融政策の正常化」が必要だという論調に流れたならば,日本経済の回復はさらに遠い先のことになるでしょう.これではもう日本経済は持たない……まぁその前に民主党政権が持たないでしょう.

効くのはゼロ金利量的緩和ではない!
金融緩和が継続されるという期待形成なのだ!
「好況になってもしばらくは低金利が続く」との予想がない限りインフレにはならない!
脱デフレ政策の「肝」は金融緩和へのコミットであることを忘れるな!!

と叫んで回らないと行けません.