今時こんな人がいたなんて……

 専門家・学識者を審議会などに呼んでその意見を採り入れるというのは悪いことではないと思います.しかし,「「塾の禁止」を主張、教育再生会議の野依座長」のニュースにはびっくりしました.今時こんなアナクロな考え方をする人がいたなんて…….
 ノーベル賞を取ったからといっても教育に関しては素人な訳です……それにしても,教育再生会議のメンバーに教育学者が一人もいないというのは実に不味い.大企業の社長と経済学者*1+よくわかんない文化人では現状認識も不十分になるだろうし,その結果自分が教育を受けた時代への批判と郷愁に終わってしまいそうな悪寒.
 議事要旨を見る限り,塾禁止論はさすがに賛同者が少ないようですが,「塾や予備校は詰め込み」という非常にずれた見解を披露してくれています.僕自身はこれとは正反対の感想を持っています. 僕が塾に行ったのは小4から小6(四谷大塚とその準拠塾)と高3(河合と駿台)ですが,思考プロセスについて現在にまで通じる大きな何かを教えてもらったと思います.第一,棒暗記で乗り切れるほど受験は甘くないし,棒暗記よりも理解の方が効率的でしょう.高校の時*2に「経済学部に行こう」と決めるきっかけになったO木先生も駿台掛け持ちだったしなぁ.まぁ,ここいらは個人的感想なので読者諸賢の意見を伺いたいところ.
 それにしても,1兆円産業の禁止を「(塾禁止くらいの)大きい提言をやらないと」(中嶋委員)とあっさり言えてしまうセンスにはあきれるばかりです.飲み屋で話しているのとはワケが違うと思うんだけどなぁ.

*1:僕個人としては,教育改革に必要なのは経済学的なセンスだと思うので喜ばしいけど……せめて教育経済論をやってる人を混ぜるべきでしょう.

*2:私立校のせいか,非常勤に院生・ODがたくさんいた.