夏休みにもってこい(?)の本

 こうも暑い日が続くにもかかわらず自分の部屋のエアコンの調子が極悪ですっかりグロッキーです.その上,この夏はここにないくらい研究上の用事と校務が集中していて……普段は本がないと生きていけない私ですが,さすがにもう難しいことなんて考えたくなぁぁぁい!そんなときに役に立つ(?)一冊.しかも,都市伝説によれば夏はTUBEと恋の季節らしいじゃないですか.


エコノミック恋愛術 (ちくま新書)

エコノミック恋愛術 (ちくま新書)


 いかにも経済学者が考えそうな思考方法で恋愛(主にオフィスラブと結婚生活)を語ってくれます.「いやいやそれはこじつけでしょう(笑)」という部分もありますが,むしろそれはそれで「よくもそんな"つながり"に気づくものだなぁ」と感心させられます.これは普段から心底経済学的に思考していないと出てこないねただと思います.口先だけで経済学,経済学いってるだけの論者や,経済学の思考法のような本を書いているくせに日常生活でちっとも経済学的に行動していない人*1は山崎さんのつめの垢でも煎じて飲むべきです.

 基本的に3ページほどで完結する「一発ねた」の連載を本にまとめたものなので,あまりねたをばらすのもどうかと思いますが……そのセンスのよさがまずあらわれているのが「美人のいるオフィスの価値」を計算した部分です.同書では美人の市場価値をキャバクラから計っています.ここで凡百のエコノミストならばキャバクラの時間料金,またはせいぜいキャバ嬢の時給から計算してしまいそうですが,この計測法には問題がある.それに対し,山崎さんは場末の店と繁華街の店の価格差に注目することで「男性の美人度への限界評価」を計ります.これは経済学とその実証的方法に通暁されていないと出てこない.

 なおオヤジギャク含有率が非常に高い*2ので女性の読者はご注意ください.

 講義にも使えそうな例話の宝庫なのですが,これを授業に生かす(?)と即セクハラになりそうなご時世ですので気をつけなきゃなりません.学生向け(U30向け?)のバージョンがほしいところかも.

*1:ほらあの例の学生みたいな人です.特に外見の面で♪

*2:男女関係における不確実性=ナイト(夜)の不確実性とかw