江戸話なのやら時論なのやら……

 江戸時代は身分社会ではないかもしれません.江戸時代も後半になると,実力しだいで百姓からでも奉行だの従五位にも登れる競争,機会の平等が制度的に保証された近代社会に近づいている.もし,百姓に生まれても御徒士の株を買って,お試し(公務員試験みたいなもん)を受けて勘定奉行*1に採用されればよいのです.勘定所採用が当時の出世コースですから,ここから御勘定→支配勘定→評定所留役→組頭→勘定吟味役と登れば,遠国奉行を経ていよいよメインの町奉行勘定奉行であがり♪根岸鎮衛(南町奉行)は豪農出身でこのルートを実現した人といわれています*2

 
とこれを読んで,

  • 誰でもちゃんと節約してお金貯めて,勉強すれば大臣クラスになれるんだから……これって機会の平等が保証されてたってことだよね

と感じるか

  • これは機会の平等じゃないだろ

と感じるかは皆様次第ですが……

*1:勘定所を今で言う財務省のように考えている人が多いようですが,これは誤解です.勘定奉行所は公事方と勝手方にわかれており,前者は法務・司法官僚,後者が経済官僚です.

*2:親が豪農出身の徒士だという説もあるみたい.